採用のプロセスにおいて、メールでのコミュニケーションは非常に重要な役割を果たします。
特に、採用通知や面接の日程調整、不採用の連絡など、さまざまなシーンでのメール対応が、応募者の印象や内定承諾の判断に大きな影響を与えます。
本記事では、採用メールの基本的なマナーから実践的なテンプレート、送信前の注意点まで、人事・採用担当者が押さえておくべきポイントを詳しく解説します。
適切なメールコミュニケーションで、採用活動の成功率を高めていきましょう。
監修者
ひとり広報応援団 団長
前田星菜
マーケティング支援とクリエイティブ制作を行う株式会社Reviveの広報支援サービス。
ひとり広報応援団にて団長を務めております!
ひとり広報さんの、「困った」「分からない」を一緒に解決するお手伝いをしております!
ひとり広報応援団 団長
前田星菜
マーケティング支援とクリエイティブ制作を行う株式会社Reviveの広報支援サービス。
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目次
採用通知メールの基本マナーと内定辞退を防ぐコツ
優秀な人材を確保するためには、採用通知メールの送り方一つで大きく差が出ます。特に気をつけたいのは、送信のタイミングと内容です。
スピーディーな対応と丁寧な文面で、応募者の不安を解消し、内定承諾へとつなげましょう。
- 面接から1週間以内に送る
- 電話とメールを組み合わせる
- 期待と歓迎の気持ちを伝える
面接から1週間以内に送る
採用通知メールは、面接実施から1週間以内の送信が望ましいとされています。その理由は主に2つあります。
1つ目は、優秀な人材の確保です。応募者は複数の企業を同時に受けているケースが多く、返信が遅れると他社に人材を取られるリスクが高まってしまいます。
2つ目は、応募者の不安解消です。面接から返信までの期間が空くほど、応募者は結果を気にして心配な気持ちで過ごすことになります。
なお、諸事情で1週間以内の送信が難しい場合は、「選考結果の通知に今しばらくお時間をいただきたい」という一報を入れましょう。
送信時間は、平日の午前10時から午後5時までの間が適切です。早朝や深夜、休日の送信は避けるようにしましょう。
電話とメールを組み合わせる
採用通知は、電話とメールを組み合わせることで、より確実で温かみのあるコミュニケーションが実現できます。
まずは電話で採用の意思を直接伝えましょう。声のトーンや話し方で、会社の期待や歓迎の気持ちがより伝わりやすくなります。
その後、メールで正式な採用通知を送信します。メールには以下の内容を含めましょう。
- 電話での内容の確認
- 入社までの具体的なスケジュール
- 必要な手続きや提出書類の案内
このように、電話での温かみのある採用通知と、メールでの正確な情報伝達を組み合わせることで、応募者の不安を解消し、内定辞退を防ぐことができます。
期待と歓迎の気持ちを伝える
採用通知メールには、応募者への感謝と期待の気持ちを具体的に込めることが大切です。特に面接で印象に残ったエピソードや、評価した点を明確に伝えましょう。
例えば、「〇〇様の△△に関する経験や、□□への情熱に大変感銘を受けました」といった具体的な表現を使うと良いでしょう。
また、入社後の期待を込めたメッセージも効果的です。「〇〇部署で、△△の経験を活かしていただけることを楽しみにしています」といった形で、具体的な活躍イメージを伝えます。
大切なのは、定型文に陥らないこと。応募者一人ひとりの個性や強みに言及した、温かみのある言葉選びを心がけましょう。
採用プロセスで使える!7つのシーン別メール例文集
採用プロセスでは、さまざまな場面でメールを送信する機会があります。それぞれのシーンに合わせた適切な文面で、応募者とスムーズなコミュニケーションを図りましょう。
特に不採用通知は丁寧な対応を心がけ、企業イメージの向上にもつなげることが大切です。ここでは、以下の7つのシチュエーションごとにメールテンプレートを紹介します。
- 新卒の採用決定通知メール
- 中途の採用決定通知メール
- 書類選考の合格通知メール
- 書類選考の不合格通知メール
- 面接の不採用通知メール
- 面接の日程調整メール
- 応募者からの選考辞退への対応メール
新卒の採用決定通知メール
新卒採用の決定通知は、応募者にとって人生の大きな転機となる重要な連絡です。歓迎の気持ちと今後の手続きを明確に伝えましょう。
件名:採用結果のご連絡【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
先日は、弊社の新卒採用面接にご参加いただき、誠にありがとうございました。
この度、厳正な選考の結果、○○様を弊社の新しい仲間としてお迎えできることとなりましたことを、大変嬉しく思います。面接での明るい人柄と、課題解決に向けた具体的なご提案が、特に印象に残っております。
つきましては、入社に関する以下の書類を本日郵送させていただきます。
■お送りする書類
・採用通知書
・内定承諾書
・労働条件通知書
■ご提出いただく書類と期限
・内定承諾書:○月○日まで
・健康診断書:○月○日まで
・その他必要書類:入社日までに
■今後のスケジュール
・内定式:○月○日
・入社式:○月○日
※詳細は追ってご連絡いたします。
○○様と一緒に働ける日を、社員一同心待ちにしております。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 具体的な評価ポイントを入れる
- 必要書類と期限を明確に示す
- 今後のスケジュールを具体的に記載
- 気軽に質問できる雰囲気を作る
中途の採用決定通知メール
中途採用の決定通知では、特に入社条件や今後の手続きについて、明確に伝えることが重要です。
件名:採用結果のご連絡【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
先日は、弊社の中途採用面接にご参加いただき、誠にありがとうございました。
この度、厳正な選考の結果、○○様を弊社の新しい仲間としてお迎えすることを決定いたしましたので、ご連絡申し上げます。○○様の豊富な実務経験と、組織改善に対する前向きな姿勢を、特に高く評価させていただきました。
つきましては、労働条件の詳細について、下記の通りご案内いたします。
■雇用条件
・雇用形態:正社員
・勤務開始日:○年○月○日
・勤務地:○○支社
・待遇:当社規定による
■今後の流れ
1. 雇用条件の確認
2. 入社に関する必要書類の郵送(本日発送予定)
3. 内定承諾書のご返送(○月○日まで)
4. 入社前オリエンテーション(日程は別途調整)
ご不明な点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 具体的な雇用条件を明示
- 評価ポイントを具体的に伝える
- 入社までの流れを明確に示す
- 質問や相談がしやすい文面にする
書類選考の合格通知メール
書類選考合格の通知では、次の選考に向けた具体的な案内が重要です。応募者の不安を軽減し、スムーズな選考進行を心がけましょう。
件名:書類選考結果のご連絡【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
この度は、弊社の採用選考にエントリーいただき、誠にありがとうございました。
書類選考の結果、○○様には次の選考に進んでいただきたく、ご連絡いたしました。ご提出いただいた書類から、特に○○に関する知見と、○○への意欲が伝わってまいりました。
つきましては、次の選考(面接)の日程調整をさせていただきたく存じます。下記の候補日時の中から、ご都合の良い日時を第3希望までお知らせください。
■面接候補日
・○月○日(○)10:00~/14:00~/16:00~
・○月○日(○)10:00~/14:00~/16:00~
・○月○日(○)10:00~/14:00~/16:00~
■選考会場
○○○○(地図添付)
■お持ちいただくもの
・筆記用具
・履歴書(追加1通)
○月○日までにご返信いただけますと幸いです。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 評価ポイントを具体的に伝える
- 複数の候補日時を提示する
- 持ち物や場所を明確に示す
- 返信期限を設定する
書類選考の不合格通知メール
不合格の通知は、応募者の心情に配慮しながらも、明確に結果を伝えることが大切です。
件名:書類選考結果のご連絡【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
この度は、弊社の採用選考にご応募いただき、履歴書および職務経歴書を送付いただき、誠にありがとうございました。
慎重に選考を重ねてまいりましたが、誠に残念ながら、今回は○○様の採用を見送らせていただくことになりました。ご期待に添えず、大変申し訳ございません。
なお、お預かりしました応募書類は、個人情報保護の観点から、責任を持って適切に処分させていただきます。
○○様の今後のキャリアにおいて、更なるご活躍とご成長を心よりお祈り申し上げます。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 結論を明確に伝える
- 書類の取り扱いについて明記
- 簡潔な文面を心がける
- 余計な理由説明は避ける
面接の不採用通知メール
面接後の不採用通知は、応募者との対面での接点を持った後だけに、より丁寧な対応が求められます。
件名:面接選考結果のご連絡【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
先日は、面接選考にお時間をいただき、誠にありがとうございました。
面接を通じて、○○様の○○に対する熱意と、これまでの実績について深く理解させていただきました。しかしながら、総合的な検討の結果、今回は採用を見送らせていただくことになりましたことを、謹んでお伝えいたします。
誠に心苦しい結果となり、大変申し訳ございません。○○様の今後のキャリアにおいて、必ずや良い機会に恵まれることを、心よりお祈り申し上げております。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 面接での印象に触れる
- 応募者の長所を具体的に言及
- 前向きなメッセージを含める
- 簡潔かつ誠実な文面を心がける
面接の日程調整メール
面接日程の調整は、応募者の予定に最大限配慮しつつ、スムーズな選考進行を図ることが重要です。
件名:面接のご案内【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
先日、書類選考結果のご連絡をさせていただきました件について、続く面接選考の詳細をご案内いたします。
■面接詳細
日時:以下の候補日時からご都合の良い時間帯を第3希望までお知らせください
・○月○日(月)10:00~、14:00~、16:00~
・○月○日(火)11:00~、13:00~、15:00~
・○月○日(水)10:00~、13:00~、15:00~
※いずれの日程もご都合が合わない場合は、別の日程をご提案いたしますので、お気軽にお申し付けください。
所要時間:約1時間
形式:対面面接
場所:○○駅徒歩5分 ○○ビル3階
面接担当:人事部長 ○○、営業部長 ○○
ご都合の良い日時を、○月○日(金)までにご返信いただけますと幸いです。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 見やすい項目立てで情報を整理
- 日程調整の柔軟性を示す
- 面接の詳細情報を明確に記載
- 返信期限を明記する
応募者からの選考辞退への対応メール
応募者からの辞退連絡に対しては、誠意を持って対応し、将来的な接点の可能性も残すことが大切です。
件名:選考ご辞退の件【株式会社○○】
○○様
株式会社○○の採用担当の○○です。
この度は、弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。また、この度はご丁寧にご連絡をいただきありがとうございます。
弊社としても誠に残念ではございますが、選考辞退のお申し出を承りました。なお、お預かりした応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄させていただきます。
これまでの選考において、○○様の誠実な姿勢や、○○に関する深い知見に触れることができ、大変有意義な機会となりました。今後のキャリアにおいて、ご希望に沿った素晴らしい機会に恵まれることを、心よりお祈りしております。
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株式会社○○
採用担当:○○
TEL:○○○-○○○○-○○○○
MAIL:○○@○○.co.jp
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<重要ポイント>
- 辞退の意思を尊重する姿勢を示す
- 選考中の印象を具体的に伝える
- 感情的にならない冷静な対応を心がける
採用メールを送る前に見直そう!5つの最終チェック項目
採用メールの送信ミスは、企業の信頼性を損なう大きな要因となります。
送信前の最終チェックでは、宛先や内容の確認はもちろん、文章の読みやすさや温かみのある表現まで意識しましょう。小さなミスも見逃さない慎重な確認が重要です。
- 宛先に誤りがないか
- 誤字・脱字がないか
- 必要な情報が抜けていないか
- 文章の言い回しは適切か
- 感謝と期待の気持ちが伝わるか
宛先に誤りがないか
採用メールの宛先の間違いは、取り返しのつかない失態を招く可能性があります。特に以下の点に注意が必要です。
まず、応募者の氏名は漢字の確認を丁寧に行いましょう。『斎藤』『齋藤』『斉藤』など、同じ読み方でも異なる漢字が存在する場合があるため、履歴書の表記と必ず照合してください。
次に、メールアドレスは全角・半角の区別や、コピー&ペースト時の余分な空白にも気をつけましょう。
また、個人情報保護の観点から、複数の応募者への一斉送信は避けるべきです。社内関係者への共有が必要な場合は、BCCの使用を検討してください。
送信前に必ず見直しの時間を設けることで、思わぬミスを防ぐことができます。
誤字・脱字がないか
採用メールの誤字・脱字は、会社の信頼性を大きく損なう原因となります。特に、ビジネス文書でよく使う『いたします』『ください』などは、漢字とひらがなの使い分けに注意が必要です。
読みやすい文章にするために、句読点の位置や段落の分け方にも気を配りましょう。また、数字やアルファベットの全角・半角、日付や時刻の表記は統一することを忘れずに。
送信前に一度印刷して目を通すと、画面では気づかない誤りも見つけやすくなります。
必要な情報が抜けていないか
採用メールに必要な情報の漏れは、応募者の不安や混乱を招きかねません。特に重要なのは以下の情報です。
- 面接日時や入社日などの日程
- 会社の所在地や交通アクセス
- 担当者の連絡先(部署・氏名・電話番号)
- 返信や書類提出の期限
情報量が多い場合は、重要度の高いものから順に記載していきましょう。また、締切日などの重要な日程は強調して記載することをおすすめします。
応募者が必要な情報を見落とさないよう、分かりやすい文章構成を心がけましょう。
文章の言い回しは適切か
採用メールの文章は、プロフェッショナルかつ親しみやすい表現を心がけましょう。過度な敬語は避け、基本的な謙譲語・尊敬語を正しく使用することが大切です。
また、一文を短めに区切り、専門用語は避けて平易な表現にすることで、メッセージが伝わりやすくなります。結論から先に伝え、説明は論理的な順序で行うことも重要なポイントです。
読み手の立場に立って、分かりやすく自然な文章を作成することを意識しましょう。特に重要な内容は、箇条書きを効果的に活用することで、より伝わりやすくなります。
感謝と期待の気持ちが伝わるか
採用メールは、単なる事務連絡ではありません。会社の想いを込めることで、応募者の入社意欲を高めることができます。
面接での印象的な発言に触れたり、具体的な活躍イメージを伝えたりすることで、より個人的なメッセージになります。「〜できる」「〜期待しています」など、ポジティブな言葉を使うことも効果的です。
また、企業理念に沿った言葉選びや、社風に合った温かみのある表現を心がけましょう。堅苦しすぎない自然な文章で、会社らしさを表現することが大切です。
まとめ
採用メールは、単なる情報伝達の手段ではありません。会社の印象を左右する重要なコミュニケーションツールです。
ポイントは以下の3つです。
- 迅速な対応と適切なタイミング
- 温かみのある丁寧な文面作り
- 送信前の入念なチェック
これらを意識することで、応募者との良好な関係を築き、採用活動を成功に導くことができます。また、不採用の場合でも、丁寧な対応を心がけることで、企業イメージの向上にもつながります。
適切なメールコミュニケーションは、優秀な人材の確保と、企業の評価向上の双方に寄与する重要な要素となります。本記事で紹介したポイントを参考に、より効果的な採用活動を展開していきましょう。
弊社公式LINEでは、定期的に経営者や採用担当 / 人事の方に向けて採用に関する有益なトピックスを紹介しておりますのでもしよろしければ、下記バナーよりぜひご登録ください